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2013年7月19日金曜日

絶対に語学が上達する方法

 なんだか情報商材のようなタイトルで自分でも可笑しいが、とりあえず看板に偽りはない予定である。ただし切実に何か特別な上達法を求めている方は、今のうちに回れ右をされたほうが良いかもしれない。ヒトが言葉を習得する過程を間近で観察できるのも親ならではの得難い体験かもしれない、というお話。

 息子の口から言葉が出始めたのは、二歳を少し過ぎた頃だった。小さな口から少しでも言葉らしき音が出れば、親は大喜びである。褒めておだてて、せっせと話しかける。何か口に出せば褒めてもらえるので、子どもも一生懸命話そうとする。
 まだ聴く力も話す力も発達途上なため、愛らしい言い間違いが頻発する。その様子は大変に可愛らしく、子育ての醍醐味だとすら思うほどだ。息子も「地下鉄」が「ちかつつ」、「路面電車」は「おめめでんしゃ」。いちばん笑ったのは「おもちたたたた」。どうやら「おもしろかった」であるらしいと気づいたのは随分後になってからだった。
 親も子どもに合わせて「ほら『おめめでんしゃ』だよー」と言ったり。コミュニケーションが取れる(ような気がする)のが、とにかく楽しい時期だ。

 どんなに間違えようが「可愛い」でOK。決して責められず、時には優しく間違いを正してもらえる。誰もが笑顔で話しかけてくれ、どんな反応も喜ばれる。そんな環境で子どもは最初の数年間を過ごす。
 聞いて真似て形から覚えて、とにかく使ってみる。たくさん間違えながら、適切な意味と使い方を身につける。自分の言葉を熱心に聞いてくれて、積極的に話しかけてくれる人がいる。日々多彩な言葉を浴びて、表現は豊かになり、世界は広がってゆく。
 息子の様子を見ていると、大人の場合も同じでは、と思うのだ。大人も同様の状況に置かれれば、間違いなく上達するに違いない。しかし残念ながらそうはいかない。大人は間違えたら恥ずかしいし、世間も「可愛い」で済ませてはくれない。浴びる言葉の質も量も圧倒的に足りない。こればかりは仕方ない。

 ある日唐突に「ママ、風邪が治ったらブランコに乗っていい?」……は? 一人でブランコ乗れないのに? つうか風邪引いとらんがな。何のことはない、絵本に出てくる文章を真似しているだけである。
 息子の言葉は時々、妙に芝居がかっている。まだ「自分の体験」が少ないために「自分の言葉」がないのだ。たくさん話すけど、その多くは親や絵本からの借り物である。それらをベースに、人生経験を加味しつつ、自分の言葉を獲得していくのだろう。
 ところで息子は「エレベーター」が「エベレーター」になるのだが、つい親もつられて「エベレーター乗るよー」と言ってしまう。もしそんな親子を見かけたら、温かく見守っていただければ幸いである。

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