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2013年9月3日火曜日

幻の虫を求めて

 夏休みに家族で訪れた自然公園の一角で「世界のカブト・クワガタ展」なるものをやっていた。「見たい!」と叫んだのは、息子ではなく私である。中へ入ると、壁際にぐるりと飼育箱が置かれていた。さっそく近寄る私。
 「おお、これがニジイロクワガタか……あ、オウゴンオニクワガタ! ホソアカクワガタ、ゾウカブト……うおー、ヘラクレスオオカブト! でかっ!!」
 背後に感じる、家族の冷めた目線。息子は興味が持てない様子でボンヤリしている。

 まあ世の中には昆虫好きな女性だっているよね、という話ではない。これには理由があるのだ。というか、お気づきの方もいらっしゃると思うのだ。なにせ四〇〇万本近くも売れたのだから。
 ニンテンドー3DS『とびだせ どうぶつの森』に登場する虫(の、ほんの一部)である。ゲーム内に自分の「村」を作り、木や花を植え、施設を配置する。住人と交流し、虫や魚を捕り、季節の行事を楽しむ。大まかに言えば、そういうゲームである。
 私は昆虫好きなのではなく、ゲームのおかげで若干の知識と親近感があるだけなのだ。その証拠に、捕まえて家で飼おうとか、ヘラクレスオオカブトを求めてアマゾンの奥地を訪れようとまでは思わない。

 かつてはPS2『ぼくのなつやすみ2』で蝶採集にハマり、寝言のように「ミヤマモンキチョウがいない……クモマツマキチョウがいない……」とつぶやいて、相方に呆れられていた私である。いやあ、人って変わりませんね(涙)。
 こうした箱庭系のゲームでは、虫たちの外見もそれなりにリアルだし、採集できる時期や時間帯も細かく設定されている。レアな虫には滅多に会えないし、捕まえようと必死になるうちに、名前も覚えるし親近感も湧く。その過程が楽しい。
 ゲームの中とはいえ慣れ親しんだ虫を、現実に目にするのは、けっこう感動する、心に残る体験だった。余談だが動物園や水族館では、3DSをカメラ代わりに構える子どもをよく見かける。やっぱ3D写真かしらん? 私も今度やろうっと。

 カブトにクワガタという「得体の知れない黒い物体」に、終始引き気味だった息子。実際に触れるコーナーもあったが、手を伸ばすことはなかった。都会育ちのせいか、それとも気質なのか。単に年齢的に、まだ早いのかもしれない。
 でも、もし将来、店で高価なカブトをねだられたり、早朝に山へ採集に行かされたり、ヘラクレスオオカブトを探しにアマゾンの奥地へ連れていけとゴネられたりしたら、それはちょっと困るかな、うん。

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