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2013年11月5日火曜日

イクメンの文脈

 あなたの周りに、こんなパパはいないだろうか。子育てに積極的な「イクメン」だと自負し、それなりにやってくれるのだが、時々こんなことを言う。「俺、ウンチのオムツ替えだけはダメなんだ」……。

 ……その、二本の手は何のためにあるのか。飾りか!? 「ダメ」って何だよ「ダメ」って!!
 いや、取り乱して申し訳ない。しかし不思議ではないか。何も重量挙げ選手並のバーベルを持ち上げろとか、パティシエ並の飴細工を作れとか言っているわけではないのだ。トイレでパンツを下ろせる人が、オムツを替えられないわけがない。
 そういう意味ではないのだろう。もちろん分かっている。彼らはただ、甘えているだけだということを。そしてそれは、確かに悪いとは言いきれない。

 なぜなら、甘えることは一種の家庭内コミュニケーションでもあるから。恋人や家族は、甘えが許される数少ない存在だ。お互い了解していれば、むしろ適度な潤滑油となるだろう。けれど「ウンチのオムツ替え」は、そこに当てはまるんだろうか。
 パパが臭いものはママも臭いし、パパが気持ち悪いものはママだって気持ち悪い。でも、誰かがやらなければならない。ウンチのオムツ替えに限った話ではなく、「ダメ(苦手)だからやらない」が許されない文脈を、ママたちは必死で生きている。
 そこで「苦手だから」と平気で逃げてしまえる人に「イクメン」面されてもなあ、と思う私である。

 友人のダンナさんも「ウンチはダメ派」なパパだった。私は憤り、先のような持論を友人に披露した。彼女は苦笑して「ホント、そうだよねえ」と頷いた。
 しかしよく聞いてみると、このパパさんは彼女の負担軽減のために帰宅を早め、食事や入浴を手伝ってくれるという。もちろん不満もあるが、彼なりに努力してくれているのだと、友人は感じているのだ。そこで私が正論を盾にダンナさんを責めるのは、かえって彼女を辛くさせてしまうのではないか。
 そう気づいた私は反省した。友人を辛い気分にさせるのは本意ではない。夫婦二人の文脈で、子育ては営まれていく。彼女のダンナさんがウンチのオムツを替えるべきか否か、それを決めるのは友人夫婦であって私ではない。私にできるのは、ダンナさんに向けて密かに念を送ることくらいだ。

 以前に育児雑誌で、あるご夫婦の一日のスケジュールを見て仰け反った。パパは朝6時に出勤、帰宅は夜11時。ほぼ「寝に帰る」生活にも関わらず、ママと交代で2時間おきに起きて泣く赤子の世話。当然、ロクに眠れず、朝は6時出勤の帰宅は深夜……。
 イクメンもいいけど、それで倒れても誰も責任とっちゃくれない。こんな生活ではママも辛いだろう。空気のような言葉を流行らせる前に、できることはないのか。最近よく見かける、スーツに抱っこヒモ姿で駅へと急ぐパパたちを眺めながら、そんなことを思ってしまう。

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