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2014年3月10日月曜日

おうちが壊れる日

 「こんど、ぼくのおうちがこわれるときねえ」。「え?」。相手は一瞬、意味が分からないといった風情で聞き返した。無理もない。四歳児の言葉に筋が通っていなくても不思議はないけど、しかし息子の台詞には、何の嘘も誇張もないのだ。
 今度、僕のお家は壊れる。意味が分からなくて頭を抱えているのは私の方である。実はすんごい人生の岐路かも、というのが今回のお話だが、まあ皆さんには所詮、他人事なので気楽にどうぞ(涙)。

 賃貸暮らしの魅力は、何と言っても気楽なことだ。元が東京の人間ではないこともあって、これまで好きな街に住み、気が向けば引っ越して生きてきた。
 ただ、今の街にはもう十年以上、居着いている。肌が合うのだと思う。子どもも生まれ、地域とのつながりも増えた。余談だが私の両親は子育て終了後、別の街に移り住んだ。もう十数年がたち、自治会役員も経験したのに、地域とのつながりは薄いという。その街で子育てをしていないというだけで。
 そんなもんかねえ、と思う私。確かに、子どもが産まれ、地元の園へ入った途端、顔見知りのご近所さんが爆発的に増えた。人とのつながりの中で生きているのだなあ、と思えることは、浮き草暮らしだった私には、なかなか新鮮で楽しい。

 そんなお気楽な日々が、ついに終わる日が来る。「マンション取り壊しだって」。相方は顔面蒼白だったが、私は体の奥でズドン、と肝が据わる音がした。「おうち、こわすの?」という息子の間の抜けた台詞を、微笑ましく感じる余裕があるほどに。
 こんなことが、これまでにも何度かあった。妊娠が判明したときもそうだった。急な賃上げで半ば追い出されるように引っ越したこともある。気楽な生活にはつきもののリスクだ。ジタバタしても始まらない。可能な限り最善の策を練らなければ。
 いつか来るはずの日が、今来ただけだ。いつまでもお気楽ではいられない。社会の中で子どもを育てる以上、求められる責任や果たすべき義務がある。以前はそれらが自由の侵害のように感じたけど、今は「よっしゃ!」という感じだ。

 まあ、できれば安定した環境で育ててあげたいし。幸い今の街は気に入っているし、おともだちもいるし、何より「取り壊すから半年後に引っ越してくれ」とか言われるのはもう最後にしたいし(本音)。
 こうして、新たな可能性を探って混沌期に突入した我が家。どうなるんでしょう。私は半年後、住む家があるんでしょうか。わかりません(マジで!)。
 まあ、息子を路頭に迷わせるわけにはいかないので、母ちゃん頑張るよ。おうちがこわれる前に何とかしないとね。だから人通りの多い往来で「ちゅうこマンションかう?」とか叫ぶのやめてね(恥)。

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