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2015年2月5日木曜日

あったかい君に

 「あったかいんだからぁ〜♪」と息子が歌う。「(あった)かい〜」の部分で、ふわっと息を抜くことも忘れない。園でみんな歌っているらしい。四、五歳の子ども達が「あったかいんだからぁ」と歌う様子を想像して身悶えする私。か、可愛すぎる……。

 子どもは季節を運ぶけど、流行も子どもが運んでくる。アナ雪も妖怪ウオッチもクマムシも、子どもがいなかったらここまで耳に留まらなかっただろう。そう思うと不思議な気分だ。
 売れてる曲が万人に届かない、と言われるけれど、少子化も理由のひとつなのだろう。園や学校は、流行が生まれる現場でもある。そこに身を置く存在が身近にいるだけで、意図せずとも耳に届くものがある。歌う息子を眺めながら、そんなことを考える私。

 そんな園の息子のクラスには目下、空前の「あやとりブーム」(!)が到来中だ。……何故あやとり。理由は不明だが、普段は「戦いごっこ」好きな男の子までもが、毛糸の輪っかを指にかけてキャッキャと大はしゃぎする姿は大変に微笑ましく心が和む。
 少し前には「おてがみブーム」もあった。紙に字らしきものを書いて、おともだちと渡し合いっこ。先日は息子の幼稚園カバンに、クラスの女の子からの「○○くんへ。○△より」と書かれた「おてがみ」が入っていて、女の子から手紙をもらったという事実以上に、その字の上手さに思わずうろたえた母。
 あの、ウチの子、まだ自分の名前も怪しいですが。お返事、受け取ってもらえるかしら(どきどき)。

 おともだちと一緒に新居近くの公園へ。すでに小学生で賑わっていたが、すぐに話しかけられて場に馴染む、我らが園児たち。「みんな仲間だ仲良しなんだ」という、昔の道徳の歌のフレーズを思い出す。
 危険だからと遊具が消えつつある時代、ここはブランコも鉄棒も回転ジムもある。年上の女の子たちに回してもらい、ジムの中で幸せそうに回る息子。
 「これ、宝物なの」。男の子が見せてくれたのは、パパからもらったという『ガンダム』の古冊子。思わず「懐かしい〜」と叫ぶアラフォーママたち。

 節分の日、仕事帰りに店先で「でんでん太鼓」を見つける。でんでん、と振り回して遊ぶ息子の姿が脳裏に浮かんだ瞬間、手を伸ばしてレジへ向かう。店側の「親ホイホイ」に、まんまと引っかかる私。
 帰宅後の息子に遊び方を教えると、さっそく大喜びで振り回す。頭には園で作った鬼のお面。もはや誰が鬼やら福やらわからないが、本人は大興奮だ。
 残酷なまでに正直な彼らの中では、携帯ゲームも流行歌も、懐かしい遊びも伝統玩具も同列なのだろう。好きなものに手を伸ばし、世界を広げることで、人生は豊かになる。楽しそうな息子の姿を見るだけで、母はじんわりとあったかい気持ちになれる。

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