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2015年3月4日水曜日

僕のお店へようこそ

 園の行事のひとつに「お買い物ごっこ」がある。割とポピュラーな行事らしく、園によっては「お店やさんごっこ」と呼ぶこともあるようだ。
 売り物は園児たちが作る。色紙で作った食べ物、紙粘土のアクセサリー。売るのも園児、買うのも園児。当然、お金や財布も作る。要は園を挙げての壮大な「ごっこ遊び」。こりゃ楽しくないわけがない。数週間前から早くも大興奮の息子(←食いしんぼ)。

 ケーキ屋さん、お花屋さん、ドーナツ屋さん。園児たちの「将来の夢」には多くの「お店屋さん」が登場する。「いらっしゃいませ」「○○をください」「○○円になります」「ありがとうございました」。大人には退屈でしかない会話に、人生が始まったばかりの園児たちは胸をときめかせる。
 初めての「お買い物ごっこ」を終えた昨年、息子が持ち帰った「品物」を見た私は仰天した。せいぜい紙を丸めたパンとか、その程度のものを想像していたのだ。いや、何というクオリティの高さ!
 毛糸で見立てたスパゲッティナポリタン、今風のラーメンには焦がしネギ(!)をトッピング。オムライスは卵の「照り」まで表現してあり、よく見たら正体はセロテープだった。いや、凄い。間違いなく年長さんの作品であろう。
 もちろん年少さん制作と思しき「紙を丸めたパン」もある。か、かわゆい。このとき持ち帰った食べ物たちはその後、家での「ごっこ遊び」に大活躍してくれた。今ではその多くが破れてボロボロである。

 「食べること」と「工作」が大好きな息子を喜ばせようと、百円ショップでフェルトで作るケーキのキットを買う。息子はもう夢中で、早く作れと散々せがんだ挙げ句、残ったフェルトや糸を使って自分でも何やら作り始めた。生成りにピンクのフェルトを挟んで「イチゴクリームビスケット!」。黄色を挟めばバナナクリーム、茶色ならチョコクリームだ。あっという間に「ビスケット屋さん」開店である。
 息子にせがまれた相方が、折り紙とティッシュペーパーでくるくると「海苔巻き」を作る。上手い。というか、そんなことを思いつく発想力が信じられない。説明書通りにキットを作るくらいしか能のない私は「何故その才能を人生に生かさなかったのか」と口走り、相方に「大げさだなあ」と呆れられる。

 「いらっしゃいませ。この機会に、まとめ買いはいかがですか」。息子が家での「ひとりお店やさんごっこ」でこんな台詞を口にしたのは、消費税が上がる直前の頃だった。どこかのスーパーで聞いたのだろう。子どもは本当に耳が良くて困る。
 「君が小さかった頃、まだ消費税は5%だったんだよ」。将来、そんな話をする日も来るに違いない。そしてその頃には一体、何%になっているのか。いやはや、想像するのも恐ろしい……。

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