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2015年10月21日水曜日

素直になりたい

 入園して数ヶ月後、最初の個人面談で、息子は担任の先生から、こんな言葉をいただいた。「○○くんは本当に、とっても素直で、まっすぐで……」。

 我が家の三歳児(当時)に、人生で初めて外部から下された人物評が「素直で、まっすぐ」。……これって、どうなんだろう? 私は内心、戸惑った。子どもって、基本的にはみんな素直じゃないの? 敢えて挙げる美点が「素直」……もしかして他に褒めようがないとか(←たぶん考えすぎ)?
 戸惑った理由は他にもあって、右のような思考回路からも分かるように、実は私自身が全く「素直ではない」ので受け止め方が分からない(涙)。そうか。ウチの子、素直なのか。誰に似たんだろ……?

 素直の反対は天の邪鬼、それとも生意気? 自分で言うのも何だが私は昔から、生意気が服を着ているような人間(!)で、人の言うことを聞かない、頭でっかちで文句や理屈ばかり多いタイプであった。
 良くも悪くもそれが自分で、そういう自分と好んで付き合ってくれた人や友人たちもいたわけで、今さら後悔はないけれど(してもしょうがないけど)、人生も中盤を迎えた今は思う。「素直」は侮れない。

 素直な人は、周囲の教えや助言を、まっすぐ受け入れることができる。特に、何かを学ぶ場面や成長過程において、素直さが有利に働く場面は少なくない。何より、素直な人は周囲に好かれる。誰だって付き合うなら、面倒な人間より素直なほうがいい。
 以前は、人の言うことを素直に聞くと「自分」が消えてしまいそうで不安だった。ちっぽけで軟弱な「自分」を守ろうと必死だった。後悔はないけれど、反省はある。迷惑や心配をかけた人もいただろう。
 言うまでもなく人の個性はさまざまで、素直さは、ある一面でしかない。逆に言えば、一面でしかない以上、恐れることはないのだ。無個性でいろ、とか自分を出すな、という意味ではない。そうではないのだ、と今は思える。素直になることで、むしろ自分という存在を受け入れてもらいやすくなる。その結果、開かれる世界はより広く、豊かになる。

 「ほら、指のかたちはこうだよ」。ピアノの前で、先生の言葉に素直に頷く息子の背中を眺めながら、「指の形が悪い」と言われ続けて練習が嫌になった、かつての自分を思い出した。「そう、上手!」。褒められて、息子はより慎重に指を下ろす。まっすぐで素直な息子が、私には眩しくて仕方がない。
 素直な子どもは周囲に好かれる。この素直さは、もしかすると息子の武器かもしれないな、なんて思う。まあ、少し親バカ入ってますが(笑)、褒められてすくすく伸びる、よいサイクルが息子の人生を彩るようにと、母としては願わずにいられない。
 とはいえ、家ではすでに「ああ言えばこう言う」片鱗を見せている息子。小生意気な口ぶりは親そっくりである。「素直ないい子」は、外向けの顔らしい。そんな社交性には未だに自信のない母は、感心しきりである。いやあ、アンタ、すごいわ。

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