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2017年2月20日月曜日

七歳のバレンタインデー

 私の母は、二月十四日が誕生日である。母が子どもの頃は、さすがにバレンタインデーなどというものは「なかったと思う」。
 しかし私が物心ついた頃には、母からお小遣いをもらい、近所のスーパーへ家族の分のチョコレートを買いに行っていたのを覚えている。ウィキペディアによると、日本社会への定着は70年代半ばらしい。中高生ともなると周囲がキャッキャと盛り上がっていた記憶はあるが、私は傍観者でしかなかった。

 チョコレートは甘くておいしいし、ピンクや赤のパッケージは見ているだけで華やかだ。若いムスメだから、もちろん告白したい相手だっている。でも、どうしてもムスメ心に引っかかる。「どうして『好きな子にチョコをあげる』必要があるんだろう?」
 私はクラスに一人や二人(?)はいた、そういうことを疑問に思ってしまうタイプのコムスメで、「なぜチョコ? なぜこの日に?」というモヤモヤからどうにも逃れられず、とはいえチョコは甘くておいしいので(←二回目)、相手がいるときはあげたりもしたし、昔よくあった組織的義理チョコにも特に抵抗もなく参加していた。
 百円しか払ってないのに、五百円はするブランドハンカチをお返しにもらったこともある。いや、ヘンな時代だった……今なら速攻で売られそう……。

 成長してからは、バレンタインデーと聞くと「お母さんに『おめでとうコール』しなきゃ!」と慌てふためく日になった。孫(息子)が生まれてからは、「おばあちゃんに『お誕生日おめでとう』って言うんだよ」と言い含めて電話を渡してしまう。カワイイ孫の声におばあちゃんも大喜び。気づけば息子が自分のことばかり喋っているのはご愛嬌だ。
 図書館で見つけた、小学校低学年向けの手作りチョコの本を見て、息子と挑戦する。紙コップに板チョコを割り入れてレンジでチン。溶けたチョコをアルミホイルの上に流し、何となくカタチを付けて飾りを散らし、冷蔵庫で固めれば完成だ。こんなものでもラッピングすれば結構サマになる。

 そしてバレンタイン当日。女の子がチョコをくれるというので(!)公園に行く息子が、なぜか件の手作りチョコを持っていくという。「アンタ(一応)もらう側じゃないの?」「でも持ってきてって言われた」。そして夕方、今度は手ぶらで帰ってきた。
 聞けば公園に女の子はおらず(!!)、いたのはクラスの男の子たちで、みんなで持ってきたチョコを交換して仲良く食べたらしい。いや、友情が深まってよかったじゃないか(わはは)。
 結局、家のポストに入っていたりして、何とか面目は保った七歳のバレンタインデー。皆さまお気遣い有り難うございます。これでホワイトデーもできると思うとイベント好きの母は嬉しい。

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